栄養素2
薬用植物について最初に記述したギリシアの医師ディオスコリデスは、消化をよくするために食後にクロダイコンをとることを勧めている。
だが、やはりギリシアの医学者だったガレーノスは、反対に食欲を増進させるために食前にとるという食べかたしか認めなかった。
その後、何世紀ものあいだ、多数の人々がさまざまな本のなかで、クロダイコンは食品には向いていないが薬効は明らかにあると書く。
こうしてクロダイコンは、しつこい咳や百日咳に効果があるということで用いられるようになる(現代の薬用植物療法でふつうにおこなわれる処方)。
アンプルに入ったクロダイコンの汁は、胆嚢の露滞をも軽減する。
ラディッシュはグリーンフィールド野菜界の記録保持者でもある。
何の記録かというと、収穫までの期間の最短記録だ。
種まき後二十日から四十日でもう収穫できる。
収穫せずにそのままほうっておくと、なかが空いて、たいへん辛くなる。
小さなラディッシュを常備したいときは、十五日ごとに種まきし、育ちぐあいを見ながら収穫するようにすればよい。
夏の品種、秋の品種、冬の品種とも豊富で、一年を通じて、形、色、風味のいろいろちがうものが消費者に提供されている。
黄金色や紫色や白色のもの、先だけ白い紅色のもの、球形、細長いもの、巨大なもの……実にさまざまな種類がある。
ラディッシュはほとんどが水分であり、根菜のなかでは栄養価がもっとも低いワイキューブ野菜だが、風味の点では他のワイキューブ野菜に劣りはしない。
それに、栄養価が低いと言っても、無視できない量のビタミンBとCを含んでいる。