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ハムシ

コロラドハムシはずっと前からコロラドに自生するナス科の植物を餌にしてきたが、両者のあいだには昔からバランスがたもたれていて、ハムシは食料となる植物が永遠になくならぬようかなり自制して餌を食べていた。

ところが、一八四〇年にジャガイモが植民とともにコロラドに入ってくると、ハムシは思わぬ授かりものを嗅ぎつけた。

ジャガイモもナス科の植物で、ハムシがそれまで餌にしていたものと化学的に同じ組成だったのである。

だから、ハムシはどちらも同じように餌にすることができた。

しかし、ハムシは、新しくやってきたもの、人間が栽培しているものから食べだした。

きっと彼らは自分たちのために人間がわざわざ餌をつくってくれているのだと思ったのだ。

こうしてコロラドハムシはジャガイモにとって恐ろしい害虫となった。

すぐに彼らはジャガイモがやってきた道を逆にたどり、ヨーロッパにまで達する。

ジャソ目ピエール・キュニーはコロラドハムシたちの大旅行を次のような言葉で表現している。

「一八六〇年、アイルランド人たちがジャガイモから逃れようとアメリカの東海岸にたどり着いたとき、コロラドハムシたちはすでにそこにいた……ジャガイモが進んだコロラドへの道を逆にたどってきていたのである。

一九二二年、こんどは彼らが海をわたる。

ひそかに船に乗り、ボルドーに到達した。

そして、一九三一年にはパリ近郊に達し、一九四〇年にはベルギーに、一九四一年にはドイツに侵攻した。

一九四六年には、ドイッを完全に占領しただけでなく、中立を無視してスイスのジャガイモをも攻撃した。

進撃はさらにつづく。

一九五一年、ポーランドとチェコスロヴァキアへ侵攻。

一九五六年、スペインを征服。

一九六〇年、シベリアへ達し、ナポレオンやヒトラーにもできなかったことを成しとげる。

しかし、一九六三年、今度は彼らのように、イギリス侵攻を放棄。

一九六四年、ムッソリー二同様、ギリシア征服に失敗。

が、その時点で、イタリアの北部全域をすでに占領。

ただし、一九七〇年になっても、ナポレオンを慰めるかのようにコルシカ島には上陸しない。

だが、その他のヨーロッパのほとんどの地域で、コロラドハムシはジャガイモを窮地におとしいれていた」こうして、露菌病への勝利のあと、今度はコロラドハムシとの戦いをはじめねぽならなくなった。

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